Option
とunwrap
以前の例では、甘いレモネードを飲んだ際にpanic
を呼び出すことによって、自由にプログラムの実行を失敗させられることが分かりました。では、何らかの飲み物を期待しているにもかかわらず、何も受け取らなかったらどうなるでしょう?これは悲惨なケースになるので、エラーハンドリングする必要があります!
このケースに対して、レモネードと同じように、空文字列(""
)と比較することもできますが、せっかくRustを使っているので、その代わりにコンパイラに飲み物がないケースを指摘させてみましょう。
std
ライブラリの中の、Option<T>
と呼ばれるenum
は、任意の型T
である変数の値が存在しない可能性がある場合に用いられます。値の状態によって、下記2つのパターンのうちの1つとして扱われます。
Some(T)
:型T
の値がある場合None
:値が存在しない場合
これらはmatch
を用いて明示的に扱うこともできますし、unwrap
で暗黙に処理することもできます。後者はSome
の中の値を返すかpanic
するかのどちらかです。
expectメソッドを用いて、panic
を手動でカスタマイズできることに触れておきましょう。これは(unwrap
をそのまま用いた場合よりも)内容が理解しやすいエラーメッセージを出力するのに役立ちます。次の例では、結果をより明示的に、可能ならいつでもpanic
できるように扱っていきます。